異次元へ43 再び希望家持は微笑みながら彼に言った。 「実は私は歌集を作ろうと思っているのです。」 「沢山の歌人の歌を 一冊の書にまとめて 後世にまで残したいのです」 「それは恋の歌から 笑いを誘うものまでと とにかく楽しい歌…2024/12/25
異次元へ42 葛藤 安堵感私を助けてくださったのは 大伴家持(オオトモノヤカモチ)という人らしい。 名前は聞いたことがある。 しかし顔はその時初めて見た。 それからしばらく私は この屋敷にかくまわれていた。 家持という人は どうやら…2024/12/18
異次元へ41 稗田阿礼と万葉集10前回の続きです。できれば異次元へ32からお読みください。 「数日前、私が夜道を通って家路に帰ろうとしていると、 あなたが道端に倒れていた。 そばに寄ってみると、どうやらまだ、息をしているようだった。」 …2024/12/11
異次元へ40 稗田阿礼と万葉集9前回の続きです。できれば異次元へ32からお読みください。 安らぎ 優しさ1 小鳥のさえずりで目が覚めた。 私はどうやら生きているらしい。 ここは何処だろう? かなり立派な屋敷のようだ。 鳥はさらに私の目を…2024/12/4
異次元へ39 稗田阿礼と万葉集8前回の続きです。できれば異次元へ32からお読みください。 夜空の星 彼の予感は当たっていた。 編纂が終わってまもなく 彼は夜、暴漢に襲われる。 突然後ろの方から切りつけられたのだ。 強烈な衝撃が背中を襲い…2024/11/27
異次元へ38 稗田阿礼と万葉集7前回の続きです。できれば異次元32からお読みください。 不都合な存在 翌日、安万呂は来なかった。 このところ、冬なのに寒くなく、いい天気が続き、冬を忘れさせる日々が続いていた。 阿礼は庭を眺めながら、昨…2024/11/20
異次元へ37 稗田阿礼と万葉集6前回の続きです。 できれば異次元32~お読みください。 絶望と恐怖 彼は唖然とした。 私の語っている内容と違う。 どう見てもそれは 天皇家にまた藤原家にとって 有利な内容に変えられていた。 彼はそれを閉じ た…2024/11/13
異次元へ36 稗田阿礼と万葉集5前回の続きです。できれば異次元32からお読みください。 師走 やがて、阿礼が語り 安万呂が書き記すという形で作業が始まった。 宮廷の書斎にふたりは籠り 昼となく夜となく その作業に没頭する。 やがて、外はめ…2024/11/6
異次元へ35 稗田阿礼と万葉集4前回の続きです。できれば異次元32からお読みください。 太安麻呂(おおのやすまろ) 真夏の照りつけるような暑さは通り過ぎ、 夜になると急に冷えるようになってきた。 空は濁りなくどこまでも青く澄んでいる。 …2024/10/30