前回お話ししました。中腰の操法は、まず中腰になり、膝の上に肘をのせ、手を固定します。腰の力を膝上に伝え、膝に伝え、手に伝えます。そして指は右の親指の上に左の親指をのせるのですが、重要なのは親指ではなく、残り4本の指です。この指で背中の背中の筋肉を寄せ、硬結が逃げないようにして、体重を少しのせていきます。井本先生は「4指がきまれば、拇指（親指）がきまる」と仰っていました。そして相手が息を吐ききったとき、中に入っていって、そのあと、すばやくパッと少し抜き、止め、相手が息を吸おうとするのを、吸わせないよう抵抗を与え、そのあとゆっくり緩めていきます。そうするとパッとキレイに抜ける。抜きはスピードが必要です。それにより気の流れが、（神経、血液、リンパの流れ）ドッと良くなり、体が変わるんです。硬結をとると、体は劇的に変わります。
　この中腰の型はきついです。中腰でずっとやっているわけですから、整体やっている人はそのきつさに一度は泣かされますよ。
　野口整体、二宮整体では膝を90度くらいに曲げてやりますが、井本整体では背中の操法の場合、今の若い人には無理だと思われたかどうかは知りませんが、途中から腰を少し上げ、120度くらいに変えられましたね。これだとかなり楽にできました。腰の操法は90度でしたけど。しかし随分前の話なので、今はどうかは知りません。
　しかしこの中腰の型ができると、腰が強くなりますよ。当然姿勢も良くなる。その効果は絶大ですね。私も腰が強くなってから10数年ギックリ腰になっていませんね。それまではしょっちゅうなっていましたけど。続く