さて、気についていろいろお話ししましたが、今回からは呼吸についてのお話しです。
前に、気を呼吸を利用して相手の体に伝えるという話をしました。その続きです。
息を吸っている時は筋肉は硬直し、吐いている時は緩みます。
よく、注射をされる時「息を吐いて下さい」と言われる事がありますね。息を止めている・吸っている時は緊張していて、針が入らないからです。
前回お話ししました愉気に関しては、手を当てるだけですから、呼吸を利用する所まではあまり意識しなくても大丈夫ですが、もうひとつの方法、相手が息を吐き切った時、押し・止め・抜くという操法は、呼吸を読んで行わなければなりません。だから整体師は、どこを触っても呼吸が読めるようでなければなりません。
骨というのはとても硬く、そう簡単に動くものではありません。しかし、息を吐き切って吸いに移る手前の、そのわずかな間に押せば簡単に動きます。この間は最も体が無防備な状態です。だからアブナイっていったらアブナイ。
野口先生は「息を吸いながら重いものを持ち上げると90％ギックリ腰にならない」と仰ってましたね。
呼吸に関して、整体の創始者・野口 晴哉先生のお話しを載せたいと思います。
①吐き切った最後のところで調整して、次の息を吸うまで保つ。
②どこを触っても、呼吸が分からなければならない。力を入れると分からない。
③息を吐き切って、吸いに移る瞬間に押すと、相手は抵抗できない。
④自分がゆっくり呼吸すると、相手の吐く息も吸う息も分かるようになる。
⑤呼吸の間隙（かんげき）を捕らえられるようになると、整体の半分は完成。
⑥相手が今、息を吸っているか吐いているか分からないで整体の技術を使おうとしても、それは難しい。
⑦足を持っていても、息を吸い込んでいる時は軽い、吐き出すと重くなる。
と仰っています。また呼吸を無視した操法は危険ですね。