前回の続きです。
整体で最も重要なのは愉気(手を当てるだけ)です。
「なんだ、手を当てるだけなんだ、だったら誰でもできるじゃないか…」
…そうなんです。その通りです。そして皆さんは無意識に、勝手にそれをやっています。
頭の痛い時は頭に手を当て、お腹の痛い時はお腹に手を当てています。
世界中のみんなそうしています。お腹の痛い時、頭に手を当てている人は、
世界中どこにもいません。これは本能なんです。人間進化の過程でそういう能力を身につけ、
それを活用していたんです(4つ足動物の時は、なめていましたけど)。
それは潜在意識の中に入っています。だから病気を治すことを「手当て」と言ったんです。
だから、最も原始的な方法なんです。
しかしプロとしてやっていく場合、普通の手では限界があり、
さらに敏感かつ気の出る手でなくてはなりません。
整体では合掌行気法といって、手を敏感にする訓練を毎回行います。
これに関しては前にお話ししましたが、要は手を合わせ(井本整体では10㎝位
離していました)、手の先からゆっくり息を吸い、手の先からゆっくり吐く、
これだけです。しかしこれだけですが、これがなかなか難しい。
まあ難しいからおもしろいんですけど。
野口先生は「5分でも10分でもいい、集中力が大事だ」と仰っていましたが、
それは達人の言葉であり、私のような凡人は質より量の段階で、1日1時間はやっています。
一足飛びにはいかない、毎日こつこつやるしかない、進歩するのは少しずつです。
少しずつですが進んでいきます。
二宮整体の藤山先生は「合掌行気法をしていると、「これはおかしい」」「何か違う」
「何かしっくりこない」そういうものを感覚で感じとれるようになる」
また、「手の平の感覚が敏感になり、整体が上手くなっていく」
「気を感じるようになると、まったく力をかけずに、自然に悪い処に指が行くようになる」と、
仰っています。
また二宮先生は、「合掌行気法、セキツイ行気法、このふたつが上手くなる1番の近道」
と仰ってましたね。
続く