こんにちは

個別指導塾 すずかけの木です
先日、小学生の子がノートに、
「春はあけぼの やうやう白くなりゆく・・・」
と書写をしていました。
「あー、枕草子だね」
文章の頭の部分だけで、その作者と作品がわかるって凄いことだと改めて思いました。
冒頭には、作者の魂が込められていると思います。
そこで、今回は名文や古典の名著、文学作品や歴史書のそんな冒頭に注目していみたいと思います。
できれば音読をしていただきたいので、読み方などもつけてあります。
訳は意訳になっていますので、気になる方はぜひ調べてみてください。きっと面白いですよ。
それでは、参りましょう。
古典編
論語 孔子
子曰く(しいわく)、学びて時に之(こ)れを習う
亦(ま)た説(よろこ)ばしからず乎(や)
訳:孔子は言った、習ったことを機会があることにまた学んで身につけていくということはなんと喜ばしいことでしょうか
紀元前の人ですが、今でも教科書に出てくる孔子は流石です。論語は、その孔子の言ったことを弟子たちがまとめたものです。
春暁 孟浩然
春眠暁を覚えず(しゅんみんあかつきをおぼえず)
訳:春は眠くて明け方も気づかない
春望 杜甫
国破れて
山河あり 城春にして 草木深し(そうもくふかし)
訳:戦乱によって都は破壊されたが、大自然の山や河は依然として変わらず、町は春を迎えて、草木が生い茂っている
「詩聖」とも呼ばれる杜甫。同時代の大詩人李白とともに中国文学史史上最高の詩人とも呼ばれます。
その人生は過酷で、この春望という詩は幽閉生活の際に生まれたそうです。
竹取物語 作者不詳
今は昔、竹取の翁(たけとりのおきな)といふものありけり
訳:昔、竹取りじいさんというひとがいました
土佐日記 紀貫之
男もすなる日記(にき)といふものを 女もしてみんとてするなり
訳:男の人が書くという日記を女の私も書いてみようと思う
土佐日記は古今和歌集にも名を連ねる紀貫之の紀行文学。紀貫之は平安時代を代表する、いえ日本文学史を代表する歌人の一人ですね。
今でこそ男性が女性を主人公に物語を書くのは珍しいことではありませんが、当時はだいぶ驚かれたといいます。
蜻蛉(かげろう)日記 藤原道綱母
かくありし時過ぎて 世の中にいとものはかなく とにもかくにもつかで 世に経る人ありけり
訳:色々なことがあった時が過ぎて、世の中にとても儚い、人の役に立つこともなく、暮らしている人がいました
藤原道綱の母ということしかわからない謎の女性が描く「かげろうのような儚い身の上のことを綴った日記」。
平安時代に生きた彼女が、浮気ばかりする(とっても偉い)夫に悩みながら、夫婦生活を回顧(かいこ)しながら綴った特殊な作品です。
枕草子 清少納言
春は、曙(あけぼの)
訳:春は明け方(が良い)
源氏物語 紫式部
いづれの御時(おおんとき)にか、女御(にょうご)更衣(こうい)あまた侍ひ(さぶらい)給ひ(たまい)けるなかに、いとやむ(ん)ごとなき際(きわ)にはあらぬが、すぐれて時めき給ふ(たまう)ありけり
訳:どの帝の頃だったか、女御や更衣(役職)がいっぱいいる中でそれほど身分も高くないのに、際立って帝のご寵愛を受けている人がいました
方丈記 鴨長明
行く河の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず
訳:川の流れは絶えることなく、それでいてそこを流れる水は同じもとの水ではない
枕草子、徒然草と並んで日本三代随筆と呼ばれる方丈記。
作者の鴨長明は、不遇の人生をたどった方だといいます。根底に流れる「無常感」は、「変わらないように見えてもすべては常に変化し滅んでいく」という仏教の思想です。
平家物語
祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり 娑羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす(あらわす)
訳:「この世は常に変わっていくもの」と祇園精舎の鐘は響き、「盛んなものは衰える」と沙羅双樹の花の色は告げる
徒然草 吉田兼好
つれづれなるままに、日ぐらしすずりにむかひて、心にうつりゆくよしなしごとを、そこはかとなく書きつくれば、あやしうこそものぐるほしけれ
訳:やることもなく一日中すずりに向かって心に浮かんでくることを書きつけていると、わけのわからぬほど熱中しておかしくなるものだ
奥の細道 松尾芭蕉
月日(つきひ)は百代(はくたい)の過客(かかく)にして 行かふ(ゆきかう)年も又旅人なり
訳:月日は永遠の旅人、行き交う年もまた旅人である
以上です。
圧倒的な名文ばかりでしたね。
不思議なことに、音読してみると、意味が分からなくても、なんとなく伝わるものがあります。
どうしてもとっつき難い古典ですから、こうやって触れてみて、気にするきっかけになれたら幸いです。
子どもたちが気軽にこういった素晴らしい作品に触れられますように。
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