子どもが見せてくれる、家族の姿・・
だんでらいおん
「学校に行かなくなって・・」と、
お母さんが中学生のお嬢さんを伴って来られました。
子どもさんは黙って下を向いたまま、
お母さんはまるで病気の人のように、今にも崩れてしまいそうに見えました。
朝になると頭が痛かったりお腹が痛くなったり・・
休みます、と学校に連絡すると元気になって、変わらない様子で過ごせるのだそうですが、朝になるとまた調子が悪くなるのだとのこと。
もう困ってしまって・・という感じで、お母さんは話されるのですが・・
困ったことではなくて、動けないくらいにお腹が痛くなるのは本当のことです。
辛いことから逃げるとか、心が弱いとかいうことではなく、
頑張って頑張って心に無理をさせすぎてしまったために、
心や身体が悲鳴を上げて動けなくなってしまったのだということ・・
お母さんにお話ししました。
まずお母さんに元気な顔でいていただきたいと思いました。
自分のためにお母さんがこんなに打ちのめされてしまっていたら・・
子どもさんがかわいそうだと思いました。
下を向いたまま、一言も口をきかれない子どもさんでしたが、
身体の中に見える情景がありました。
学校を休んだ日。
家族に気を使って、彼女は一生懸命、家事を手伝おうとしていました。
その日は夕食のカレーの支度。
ジャガイモの大きさを揃えて、きちんと面取りまでして・・
彼女の作業はとてもていねいでした。
瓶がたくさん並んでいるのは、少しこだわって味を調えようと工夫をこらしていたのでしょう。
料理好きらしく、彼女の表情は楽しそうでした。
でもそこに おばあさんのような人が入ってこられて、彼女の表情は一変しました。
おばあさんと言っても、中学生の孫ですからまだ若い方ですが・・
その人は鍋をのぞき込むと、何か言いながら、いきなり水を足してルーを割り入れて、
その上、フライパンでコロコロ切りの肉を炒めると、
それも鍋に入れてしまいました。
その子の顔が泣きそうになって、それからス~ッと表情が消えて、棒のような身体になりました。
そこへ仕事から帰ってこられた様子のお母さんが入ってこられて・・
きっとその場の様子から、何があったのか察しがついたと思うのですが・・お姑さんに気を使われたのでしょう、子どもの目をさけるようにして、お姑さんの側に寄って行かれました。
その子の表情がさらに能面のようになって、黙って台所を出て行きました。
中学生のその子の中にあった情景。
でもきっとそれが日常なのだと思えました。
その子が一生懸命 作ったカレーは、高級レストランの料理のように見えました。食卓についた家族の感嘆の声。恥ずかしそうな、ちょっと誇らしそうなその子の表情を想像しましたが・・おばあさんはその期待を台無しにしてしまいました。
そしてもっと かわいそうと思えたのは、母親が彼女の味方ではなかったことでした。娘に対する気持はあったと思いますが、姑に気を使って娘の哀しさ、悔しさに気がつかないふりをしてしまわれました。
おばあさんに分かって、というのは難しいと思います。
だからせめてお母さんがその子の側に立ってあげたら。
家族に食べてもらいたいという、その子の気持を大切にできたら。
その子がすることを、手出しをせずに見守ってほしいと、お姑さんに言うことができたら。
その子はもっと のびやかに生活できるだろうと思えました。
元気がない子どもの姿は、お母さんの姿です。
子どもが見せる困った姿は、家族のバランスがおかしいよ、というSOSです。
そのことに気づいてほしいと思いました。
誰もが毎日の生活の中で、気がつかないうちにしていることかもしれません。
少しだけ振り返っていただくきっかけになればと・・お話しさせていただくことをお許し願いました。
失礼な言い方をしましたが、自分のためには変われなくても、子どものためなら勇気を出せます。
応援しています、お母さん、がんばってくださいね。
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