大切なのだと…今、伝えましょう…
だんでらいおん
母がいなくなって、もうじき一年になります。
きびしい人でした。
母の笑顔を思っても、あまり思い出せません。
私のことを嫌いなのだと思っていました。
小さい時からずっと愛されたいと思い、ほめてもらいたくて一生懸命がんばってきました。
でもどう頑張っても、何でも出来る母にとっては当たり前。
いつもそれ以上を求められているようでした。
年をとって介護が必要な生活になっても、母は手をかけられることを嫌がりました。
最後まで見事な人でした。
命が終わる時・・私に、ありがとうを言ってくれるだろうかと思っていました。
最後くらい、ちょっとだけ涙を浮かべて、
「ありがとう」と言ってくれるだろうと・・
ドラマのような場面を思い浮かべて、そうなったら私はどう行動するだろうかと考えたりしていました。
でも最後の最後まで、母は見事でした。
何も言わず、眠るようにそのまま・・
昨年のあのスーパームーンの時に逝きました。
母らしい、と思いました。
最後までこんな姿を見せるのかと、すがりつくこともできずに見送りました。
その母のことを、今頃になって思います。
あの時、何も言わなかったことが、最高の愛情なのかもしれない、と。
別れの時に、「ありがとう。ごめんね」と言われたら、
感動の時間だったかもしれませんが、きっと私は一生、後悔し続けただろうと思います。
なぜもっと優しくしてあげなかったんだろう、とか・・
もっと一緒に過ごせばよかった、とか。
何も言われなかったことで、私はそのまま生活に戻ることができました。
愛されていたのだと、今しみじみ思います。
タンスを開けると、母が選んでくれた着物、洋服、アクセサリー。
管理されているようで、うっとうしいと思っていましたが・・
それを選んでくれていた時の母の気持ちが今は分かります。
「忙しくて、どうせ家族にろくな物を食べさせていないだろうから」
と、送ってくれていた荷物には、いつもたくさんの煮物が入っていました。
母の言い方が悲しくて、素直には受け取れなかった荷物でしたが、
しみじみ有難かったと思います。
私のことを心配してくれていたんだ・・大切に思っていてくれていたんだ、と今になって分かります。
でも、いなくなってから気づくのは悲しいです。
子どもの時からかわいがられて育っていたら、今の負けん気の強い私は存在していないかもしれませんが、もっと楽に過ごせただろうと思います。
母の大きな愛には気づきましたが、
だから思います。
その時に伝えてほしかった。
大切なのだと、笑顔で言ってほしかった。
そうしたらずっと優しい温かな時間を過ごせたのに。
今、伝えましょう。
大切な人には、大切なのだと、
素直に、今、伝えましょう。
そう思います。
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