心が悪鬼に変わるほど、ものごとを思い詰めないで
だんでらいおん
私が人生訓のように大切に銘じている和歌があります。
『奥山に たぎりて落つる 滝つ瀬の
玉ちるばかり 物な思ひそ』
奥山で湧き返って流れ落ちる
この貴船川の激流が玉となって散るように
そんなに魂が散り失せるほど
物を思うのではありませんよ
和泉式部が 夫 藤原保昌と間遠になってしまった時、
貴船神社に参詣し、詠んだ歌の返歌とされています。
返歌というのは
和泉式部に対して、
貴船明神が返された歌。
『五拾遺和歌集』にあるのだそうです。
和泉式部の歌とセットになっていて、
神がこう応えるほど式部の歌才はすばらしいと 言われ、
社殿の中から慰めの返歌が聞こえてきて、
ほどなく願いは叶えられ、夫婦仲が元のように円満になった・・
という けなげな話ではあるのですが、
私の意識はなぜか違うところへ向いてしまいます。
貴船明神にはたくさんの言い伝えがあるそうで、
貴船神社を題材にした謡曲には
嫉妬に狂った公卿の娘が 貴船の社に詣で、
鬼神にしてほしいと祈願した、という話があります。
明神の託宣があって、
娘は髪を分け 五本の角にして、足に松明をつけ 口にもくわえ、
頭にも火を燃え上がらせて・・
と、まさに丑の刻詣りの姿。
後・・貴船の神は哀れに思って、この娘を本当に鬼神に変えられた・・ そんな話です。
なぜか想像の・・映像の中の能の舞台と重なって、
この和歌は私の中に 強烈に刻まれました。
『玉ちるばかり 物な思ひそ』
心が砕け散るほど、悪鬼に変わるほど、
ものごとを思い詰めてはいけませんよ。
心は さらさらと 軽やかに。
たぶん私が目指すものの元は
この和歌にあるのだと思います(#^_^#)
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